


スーパーバイザー・塩井雅人は、自身が担当する加盟店7店舗を週に2回以上訪問する。訪問時、まずは「お客さまがお買い物をしやすい状態になっているか」「ファミリーマートとしてあるべき姿になっているか」という視点で、店舗の内外をチェックする。そして売上・利益を上げる取り組みを提案し、各取り組みの結果と分析を報告、経営上の問題点などをオーナーや店長と話し合い、改善策を提案する。
また、商圏内の情報収集も重要な業務だ。店舗の利用状況調査や、商圏の人口構成と店舗の利用者の乖離を調べる人口調査など、加盟店ではなかなか手が回らない情報を収集し伝える役割も担っている。中でも特に重要となるのは近隣の競合店の調査だ。これは商品仕入れ量の調整にダイレクトに響くため、競合店のキャンペーン状況など、週一度のペースで行っている。


塩井:
スーパーバイザーは、加盟店の経営コンサルタントです。加盟店と本部は対等な関係であり、相手の状況を踏まえていない一方的な提案は受け入れてもらえないこともあります。オーナーや店長は、20代前半の私より年長で、店舗での経験も豊富な方たちばかりです。そこで、提案を受け入れていただくため、まず「店舗のことを考えています」という熱意をオーナーや店長に伝え、自分を信頼してもらおう、と考えました。地道に信頼関係を築くため、毎日、担当店舗の売場の整理を手伝いながらさまざまな話をして、お互いを理解しあうことに努めましたね。
体を動かしながらのコミュニケーションで、親密度も高まったのでしょう。最初はよそよそしかった店長とも、少しずつ仲が深まり、同じ目標に向かって話し合えるようになりました。さらに、私からの提案も、「塩井が一生懸命やってくれているから、前向きにやってみるよ」と受け入れてくれる店長もでてきてくれました。
この仕事は数字やデータだけで成り立つのではなく、人間対人間の仕事なんです。コミュニケーションを通じて信頼関係を築くこと、誠心誠意対応すること、それが大切だと思います。

「担当店舗の全面改装に携わった経験は忘れがたい」と塩井は言う。ある店舗のリニューアルオープン時、「おでんを3日間で2,000個販売する」との目標を掲げた。営業所でも実績がない高い目標で、加盟店店長は「そんなに仕入れて売れるの?」と不安そうであった。しかし、塩井はこの機会に、目標に向けて計画的に販売できるよう、店長に売り込みに対する意識を変えてほしいと考えていた。そして、事前に新聞折り込みチラシでおでんのセールを告知し、当日はストアスタッフに店頭と店内とで販売を実施してもらった。その結果、目標の2,000個を初日で完売したのだった。店長は「そんなに売れたのね!」と驚いて喜ぶとともに、その後の店舗経営の自信にもつながったようだ。塩井は改装を機に、店長やストアスタッフの意識改善を図り、理想の店舗像を共有することに成功したのだ。目標を達成する喜びや成功体験を加盟店と共有できたのは、貴重な経験だったと、塩井は振り返る。
スーパーバイザーのやりがいには、「自分の提案が受け入れられ、その結果が数字として現れ、加盟店とともに達成感を感じられる、そしてその加盟店の生活を支えることにつながる」という点がある。だが、その場限りの取り組みに終わり、次につながらないようでは、意味が無い。売り込みや発注、接客について、心底納得して加盟店自ら取り組んでもらわねばならない。時には加盟店の意識を根底から変えるような説得が必要だ。そこが難しさであり、困難な部分でもある。しかし、結果が出ることは、何にも代え難い喜びだ、と塩井は感じている。


スーパーバイザーは、加盟店とは一番近くで接しています。スーパーバイザー次第で、加盟店の売上や利益を高め、加盟店の生活をより良くすることができるだけでなく、会社の利益にもつなげることができます。ですから、スーパーバイザーは、ファミリーマートという企業の根幹となる、なくてはならない大切な職種であり、責任の大きな仕事です。また、経営コンサルタントなので、経営学を学んだ人は大学での勉強が活かせます。このおもしろさを、後輩となる皆さんにもぜひ味わってもらいたいと思います。
